
太陽の一番近くを回る圧倒的に素早い惑星
小さくて速くて、重い!
水星は、太陽系の中で一番小さな惑星です。直径は地球の約3分の1ほどしかありません。
しかし、体積の割にとても重い惑星です。
なぜなら、水星の中身の約70%は鉄とニッケルの「巨大な芯(コア)」でできているからです。小さいながらも、地球の次に密度が高い(詰まっている)惑星なのです。
特殊な時間の流れと極端な環境
水星は太陽から一番近くを回っているため、公転周期(水星の1年)がたった約88日と、太陽系で最も短いスピーディーな惑星です。
ところが、自転(自分が回る)がゆっくりなため、昼と夜が入れ替わる周期(水星の1日)は約176日もかかります。つまり、水星の1日は、水星の2年分に相当するという、とても奇妙な環境を持っています。
また、水星には大気がほとんどないため、熱を保つことができません。このせいで、とてつもない温度差が生まれます。
- 昼:太陽に照らされ、表面温度は約400℃〜430℃にもなる灼熱の世界。
- 夜:熱が宇宙に逃げ、一転してマイナス170℃くらいの極寒の世界。
この昼夜の温度差は、太陽系の惑星の中で最も大きい約500℃〜600℃にもなります。
表面の様子と意外な発見
水星の表面は、月の表面によく似ていて、たくさんの隕石が衝突した跡であるクレーターに覆われています。
- カロリス盆地:水星で最大のクレーターで、直径は約1550kmもあります。
- 断崖:水星が冷えて縮む際にできた、長いもので500kmにも及ぶ巨大な崖も見られます。
昼間は高温すぎて液体の水は存在しませんが、自転軸がほとんど傾いていないため、極地のクレーターの奥底には永遠に太陽の光が当たらない場所があり、そこに「氷(水)」が存在することが確認されています。
また、水星は地球の1%程度という弱いものですが、磁場を持っていることも分かっています。
観測と探査の歴史
水星はいつも太陽の近くにいるため、地球からは日の出前か日没後の低空でしか見ることができず、観測が最も難しい惑星とされています。
これまでの水星探査は、以下の探査機によって行われてきました。
- マリナー10号(アメリカ):1973年/74年に初めて水星に接近しました。
- メッセンジャー(NASA):2011年に水星の周回軌道に入り、表面の98%を撮影しました。2015年5月に役目を終え、水星表面に落下し、クレーターを作ったと推測されています。
- ベピ・コロンボ(JAXAとESA):日本のJAXAと欧州宇宙機関(ESA)が共同で開発し、2018年に水星に向けて打ち上げられました。水星の巨大なコアや磁場の謎を解き明かすことが期待されています。


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